錆びたナイフは誰も顧みる者はなくても
光ったナイフなら路に落ちていてもきっと拾われる
自分の魂を光らせたらいい
自分のつまらぬ計らいさえ捨てれたら
もっと輝ける
守秘義務があり詳しいことは書けないが
いまやっている仕事を通して20代、30代の若者との会話が増えた
自分の可能性に自信がもてぬまま、今の状況から逃げ出したいと思っている彼ら
一様に自分の環境を変えたいと望むばかりで
自分を光らせようと努力をしようとしない傾向がある
もったいなく、残念なことだ
迷っている時間があるのなら
ちゃんと目標をもって具体的に動いてみればいい
60を過ぎた糞ジジイから言わしてもらえば
「その迷っている時間を俺にくれ!」といいたい
40年あればなんでもできる!
10年でいい、俺にくれ!
植田和男新総裁下の日銀は、政策を大きく転換するとみられる。そして筆者は、それが長期的に日本株にとって大いにプラスになると期待している。
植田氏の優れた分析力と判断力を示すエピソードが、ゼロ金利解除への反対だ。2000年初、世界的にIT(情報技術)バブルが崩壊し、00年2月高値から03年3月安値まで東証株価指数(TOPIX)は56.1%下落した。さらに、当時は厳しいデフレが続いていた。ところが日銀(速水優総裁=当時)は00年8月に利上げを実行し、ゼロ金利を解除した。
当時、審議委員だった植田氏はただ一人反対票を投じた。果たせるかな、景気低迷、株価下落の中で、わずか5カ月後には日銀は利下げに転じた。以下、植田日銀の政策を展望し、それが日本株に与える影響を予想する。
最近、黒田東彦総裁の退任を控え、白川方明前総裁を筆頭に多くの日銀OBが「異次元の金融緩和」を厳しく批判している。有力経済誌では「成果がなかったことが過去10年間の成果だった」という辛辣な批判もある。確かに、こうした批判の多くは正しいのかもしれない。
欧米と「似て非なる」目標
日銀は国債発行残高の52%(546兆円、22年末)、株価指数連動上場投資信託(ETF)48兆円(時価)を保有している。ここまで巨額の債券や株式を購入する海外の中央銀行は存在せず、結果として、債券と株式の市場は大きくゆがんだ。
ただ、13年1月にインフレ目標2%(前年比、以下同じ)を導入したのは白川氏自身だ。政府・日銀の共同声明で、インフレ目標2%を達成するべく日銀は「金融緩和を推進し、これをできるだけ早期に実現することを目指す」とある。
しかし、日本のインフレ目標は、欧米のそれとは似て非なるものだ。海外では「インフレ目標2%をできるだけ早期に実現する」という中央銀行は存在しない。
1988年、世界で最初にニュージーランドがインフレ目標を採用した。次いで91年カナダ、92年英国、93年スウェーデン、オーストラリアが導入した。これらの国ではインフレ率が大きく低下し、かつ安定したことから、大陸欧州、米国もインフレ目標を採用した。
ただし、海外では、フレキシブル・インフレ・ターゲティングが一般的であり、2%は単なる目安にすぎない。
たとえば、英国では、インフレ率が1〜3%(目標2%)を外れた場合、イングランド銀行(中銀)は財務大臣に原因とその対処法を公開書簡で提出する。言い換えると、インフレ目標2%にはこだわらない。2008年5月から12月まで、英国のインフレ率は3%を超えた。ところが、米国住宅バブル崩壊とリーマン危機に対処するため、イングランド銀行は07年7月の5.75%から08年末まで政策金利を計3.75ポイント引き下げた。
米連邦準備理事会(FRB)も同様だ。FRBは、長期的に期待インフレ率を2%に維持することを目指しているが、短期的に2%にすることを目指してはいない。たとえば、2015〜16年のインフレ率は1%台だったが、利上げを2回実施した。
欧州中央銀行(ECB)は、中期的なインフレ目標を2%とし、上振れることも容認する。カナダ銀行(中銀)の目標は2%だが、1〜3%のレンジを1年半〜2年で目指すとしている。
デフレ下でも経済成長は可能
そもそも、「インフレ目標を2%にする必要があるのか」という疑問がある。2002年から07年までの年平均インフレ率はマイナス0.2%だったが、02年1月から08年2月まで史上最長の景気拡大(73カ月)を記録した。このように、デフレでも経済成長は可能だ。
「日本もインフレ目標を2%にしないと円高になる」という人もいる。これは、1921年にグスタフ・カッセルの唱えた購買力平価説「物価格差が為替相場を決める」という前提を持つ。しかし、為替相場は貿易収支以外に資本収支など(例=内外金利差)などにも影響を受ける。実際に、日本の物価上昇率は欧米よりほぼ一貫して低いが、円高にはなっていない。
さらに、「インフレは株高要因、デフレは株安要因」と言われるが、実際にはその反対である。1990年以降、TOPIX上昇率1位は99年の58.4%だがインフレ率はマイナス0.3%だった。2003年、05年もデフレだが、株価は急上昇した。
一方、インフレ時には株価が下落する。1990年のインフレ率は3.1%で、株価は39.8%下落した。2008年は1.4%で41.8%下落、22年は2.5%で5.0%下落だった。これは、日本のインフレは原油価格高騰によるコストプッシュインフレであるからだ。
世界の金融政策に造詣の深い植田氏は、海外の金融政策の常識をよく理解しているものと思われる。植田氏は金融緩和政策を慎重に解除することだろう。そう遠くない将来、インフレ目標は見直され、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)など金融市場をゆがめる政策は修正されるだろう。
金融緩和解除は長期的に日本株にとってプラス要因となるだろう。過度な金融緩和を長期的に持続したために、本来ならば存続しえないゾンビ企業も、低金利や円安で生き延びることができる。その結果、小売り、不動産、運輸など内需産業では過当競争が発生し、その結果、優良企業の収益性が低下していると考えられる。
最近、欧米の金融機関の経営不安が高まり、世界の株式相場は大きく揺れている。しかし、欧米の政府、中央銀行の連携が成功し、不安は鎮静化しつつある。この過程で、米国の長短金利は大きく低下し、政策金利についても引き上げが抑制されると予想される。米国の金利上昇の鈍化・抑制は、世界の金融秩序を回復させ、株式相場全体にプラスとなるだろう。
注目は日本の自動車関連株
日本株相場は「年前半軟調、年後半上昇」という見通しに変化はない。世界的な金利上昇の中で、低PBR(株価純資産倍率)株を中心にバリュー株優位の相場が続いている。日銀の金融緩和解除は時間がかかるため、日本の金利上昇傾向は続くとみられる。さらに、東京証券取引所が低PBR銘柄に対して、経営改善を求めており、しばらく、低PBR株優位が続く可能性がある。
トヨタ自動車が電気自動車(EV)開発に本腰を入れ始め、日本の自動車業界全体の将来性は高まった。自動車生産は、中国のコロナ政策転換で半導体不足などの障害が解消しつつある。ホンダ、豊田自動織機など好業績なのにもかかわらず、バリュエーションが低い自動車関連株は少なくない。
2020年代は、世界的にEVが大きな投資テーマになるだろうが、その中で日本の自動車関連株の魅力が高まりつつあることに注目したい。