息ひとつ
代わってもらうことも 代わってあげることもできない
この身ひとつ
「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」
徳川家康の遺訓だと言われている
自分の荷は自分で背負って生きるしかなく
人に代わってもらうことも 代わってあげることもできない
息ひとつすら
難儀(重荷)をとおして見てみないと 見えてこないものがある
誰しも 重荷は早く下ろしたいけれど
重荷を背負うたときは 重荷の重さを十分に感じることが大事なのだろう
その時には重荷と感じたものも 実は大きな宝物だったりする
ゆっくりと荷を下ろした時
あれもおかげだった これもおかげだった と
思えるようになれていれば
もう一つ重たい荷物も担げるようになっている
自分を見つけることもできるのだろう
家康も「急ぐべからず」と続けている
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。心に望みおこらば困窮したるときを思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。
勝つことばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるより勝れり。