minayuyu2019’s blog

Life is what happens to you while you're busy making other plans.

耳ふたつ 口ひとつ

人は耳がふたつで 口ひとつ

砂に水が染み入るように人の話を「ウン、ウン」とはなかなか聞けないもので

多くを聴いて多くを語らず 相手を思いやる態度が器をつくる

 

荘子・徳充符』の中の昔話のひとつに
中国の衛の国に、哀駘它(あいたいだ)という野暮ったい男がいた
しかし、この男、たいそう男たちにも女たちにももてはやされていたそう

哀駘它とかかわった女たちは彼にゾッコンになり
そばから離れたがらなくなる
哀駘它を知る者は みんな口をそろえて褒めちぎった

「あんな気持ちのいい男は見たことはない。」
「あいつは本当にイイヤツだ。」

 

このように哀駘它に会って褒めないものは ただ一人もいなかった
としごろの娘たちは哀駘它にまとわりつき ほかの男と一緒になるくらいなら        お妾さんでもいいからと 哀駘它といっしょに暮らしたがったという

彼の人気の秘密はなにか?

「和して唱(とな)えず」

けっして相手に逆らわないこと

誰とどんな話をしても
「ハオ(好)、ハオ(好)」と愛想がとてもよかった
おこられても「ハオ(好)、ハオ(好)」
ほめられても「ハオ(好)、ハオ(好)」

哀駘它は、すべての人を愛していたからこそ愛された

「寛大な心」
「大きなこころ」

穏やかさには偉大な力があります
いっしょにいて安心出来る人のそばに ひとは寄り添うものなのだろう
 

 

和とは必ずしも同調や追従ではない

論語子路篇に「君子は和して同ぜず・・・」とある

和して唱えずは、単に同調したから慕われたのではないだろう
相手の話を無批判に傾聴し 本当に内側から理解して和やかな心理的状態だったから

みんなが哀駘它のソバにいるだけで安心だったのだろうと思う

 

傾聴には話し手の心の痛みを和らげ 相手と心を通わせて喜びを失わず

接する相手の心に変化を生む力がある

 

日ごろから傾聴ができるよう 我執を抑える努力をしている

が、なかなか (苦笑)