minayuyu2019’s blog

Life is what happens to you while you're busy making other plans.

ひとしずく

森が燃えていました
森の生きものたちは われ先にと逃げていきました
でもクリキンディという名のハチドリだけは いったりきたり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます


動物たちがそれを見て
「そんなことをして いったい何になるんだ」といって笑います


クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」

 

 

 


「ハチドリのひとしずく」という南米のアンデス地方に伝わる短い物語だか 

大きなメッセージが二つ込められていると思う

 

人が振り向こうが振り向くまいがそれは問題ではない

ただ一途に自分の真心を尽くす

そうすると、そんな一隅を照らす行為に励まされた人が

私も一隅を照らすような行為をしようと決意されて

いつしか輪が広がっていくものだ

大きな問題や困難に遭うと考えるのも嫌になり

あきらめや無力感に心が支配される

しかし、どんな困難な状況であっても「ひとしずく」のように小さなことだが

「できること」が必ずあることをクリキンディは教えてくれている

 

もう一つ、この物語に込められているこころがある

 

クリキンディは「私は、私にできることをしているだけ」という

この言葉は 同時に「今しかない」ということを言っているのではないか

 

 

心は現在なるを要す。
事未だ来らざるに邀(むか)う可からず。
事已に往けるに追う可からず。
纔(わずか)に追い纔に邀(むか)うとも
便ち是れ放心なり。
        言志四録 175条


時刻は一刻一刻移り変って行くものであるけれど
われわれはいつでも心を現在の一刻に集中しておかなければならない
事柄がまだ出現しないのにこれを迎えることはできないし
また、過ぎ去った事を追いかけても 追い付けない
わずかでも過去を追ったり 来ない将来を迎えるということは
ともに、自己の本心を失っている状態である

 

 

 

果たして

私はいまも クリキンディといっしょに飛べているだろうか? 

いまからも いっしょに飛べて行けるだろうか?

 

大国のご都合で戦禍の中苦しめられている人々へ

ひとしずく」の想いでも届けと願う

 

いましかない