わたしは自分の尺度で ものを見てしまう人間だから
人に思いやりを持ちたい
人に手を合わせて生きたい
ただいるだけで
あなたがそこに
ただいるだけで
その場の空気が
あかるくなる
あなたがそこに
ただいるだけで
みんなのこころが
やすらぐ
そんなあなたに
わたしもなりたい
私はこの詩が大好きである
この詩に出て来るような人に出逢うたびに
「ああ、やっぱりこんな人っていいなあ」って思う
私の街に「竹ちゃん」というラーメン屋がある
そこの主人のお母さんがこんな人だ
ふっくらとした面持ち
いつもニコニコ微笑んで
齢80にもなろうかというのに
店も大きくなり従業員も増えて
もう休んでいてもいいはずなのに
曲がった腰を休めることもなく せっせと皿洗いをされている
息子が作ったラーメン屋
出逢いはもう20年前になるだろうか
家族で行くと必ず子供たちにオレンジジュースを出してくださる
「よう来てもろうた、よう来てもろうた」と言って
もう小さくもない娘に今でもいつものオレンジジュースを出してくださる
この店の繁盛は
こんなお母さんの まあるいふっくらとした温かさに支えられている
最近、同じような雰囲気のある青年に出逢った
23歳 まだまだ若い
彼の周りにはなぜか人が集まる
ふっくらとした面持ちも このラーメン屋のお母さんと同じ雰囲気を持っている
いるだけで ただいるだけで ふわっと温かい空気に周りが包まれる
彼の家族は4人 両親と妹 決して裕福な家庭ではなかったらしい
お父さんが野球好きで彼は小学校の頃から野球をやっていた
大学への進学の時 野球での推薦入学も出来たらしい
進学もしたかったけれど 都会での生活のそれにはお金もかかる
美容師を目指したい妹の学費もまだまだかかる
「自分はもう十分に野球もやらせてもらった
これから自分にかかるお金を考えれば、妹の学費に回せる、
そうすれば妹も美容師の道が開ける」と思ったそうだ
そんな家族への思いやりが彼の優しさの根源なのだろうなあ
うばい合えば足らぬ
わけ合えばあまる
わけ合うことの大事さを知る彼には たくさんの友がいる
あなたがそこに ただいるだけで
みんなのこころがやすらぐんだね きっと
蛇足ですが
うちの奥さんもこんな人のひとりです
