何十年ぶりだろう
宮沢賢治の詩を読んだ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノイネノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニ デクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
東では病苦、西では老苦、南では死苦、そして北では生苦
生老病死の四苦に苦しむ人々への救済がうたわれ
最後に「ワタシハナリタイ」と誓願で終わっている
子どものころに教科書で習った時とは
趣きが異なるのは 年を重ねたせいもあるだろうが
この詩には
人間の普遍的な幸福とは何かがうたわれている
仏陀の教言に
すべてのものはつながりあってできている とある
共生社会とは
自己中心的な生き方ばかりをしている
私たちの生き方からは決して生まれない
世間では
時代が変わったというが
どういう時代にするかは自分たちの責任であるのに
他人事のように何かが流されて行く
世の中の全体が幸福にならないうちは
個人の幸福はありえないのに・・・
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
