Cocoroは 難しい
でも
単純
ころころと転がるから Cocoro って言うんだ
「なんでいまの私のCocoroは転がるの?」
転がることさえわかっていれば
ころがるだけ ころばせておけばいい
そのうちに ちゃんとおさまるところにおさまるよ
こころは 難しい
でも
大切
私だけのものだから
こころは転がるけれど
真っ直ぐなこころあってこそ できる仕事
ありがとう
(m3.com)
集中治療部として、COVID-19への対応を考えたとき、全科横断での体制構築は不可欠でした。呼吸不全の患者の場合、通常は呼吸器内科や救急科で処置を施し、その後は集中治療部が診るという流れですが、それだけでは絶対に人手は足りません。
中等症は呼吸器内科中心に、重症は救急科中心にチームを作り、集中治療部はシステム構築を担っています。基本的に単科では無理なので、各チームに応援の医師が投入されています。内科系の多くは中等症に、循環器内科や外科系は重症に充てています。
麻酔科は24時間体制で挿管と脱管の全ての責任を負っています。
――医師総出でCOVID-19診療に当たっているのですね。
全ての医師が診療に当たっているというわけでもありません。非常時なので、職種という概念も捨てる必要があります。
例えば整形外科医。手術が減るので手が空くけど、呼吸不全の診療が得意とは言えません。そこでバックヤードチームを作り、逆タスク・シフトを行っています。
――逆タスク・シフトですか。
はい。実はCOVID-19患者が出た後の部屋の掃除などは、通常の外部の業者がやってくれないのです。となると、看護師が掃除することになります。でも今、一番のボトルネックは看護師の数になっています。そこで、整形外科医が感染制御部の指導を受けて、部屋の掃除や消毒をしています。
さらに、病院の入り口には歯科医が立っていて、来院者に対して、発熱などの症状があったら教えるよう呼びかけ、場合によっては問診もします。サーモグラフィーもチェックしています。 皆さん、快く協力してくれています。
あと忘れてはいけないのがメンタルヘルスケアサポートチームです。患者のケアももちろんですが、COVID-19患者に向かう医療者には非常に大きなストレスがかかっています。災害との違いは、そこへ行くことで自分の身も危険にさらされるということです。感染したらどうしよう、家族に感染させたらどうしようという緊張感を常に抱えています。さらに、周りからどのように見られているのか気になったり、心ない言葉に傷ついたりすることもあります。また、そもそも通常業務と全く違う内容になるので、負荷はより大きくなります。緩和ケア科、心身医療科、精神科が合同でチームを作っています。
COVID-19との闘いは長く続くと思います。月単位、もしかすると年単位の闘いになります。続けるには無理のない体制が重要です。今頑張ればなんとかなる、というのではなく、無理のない形で仕事ができるように、この仲間と一緒に診療に当たれてよかったと思える体制を作りたいと思っています。
――よくこのような体制が築けましたね。
当院では「コロナから都民を守る」を合言葉に、執行部の号令でバックヤードチームを含めた体制作りを進めてきました。執行部の明確なコミットメントがなくては、体制構築はできません。
各地で相次ぐ院内感染。若林氏は基本を守ることが大切だと強調する。特に重視しているのはPPEの着脱だ。
基本を守ることが一番の院内感染対策だと考えています。特にPPE着脱を徹底することです。気をつけなければいけないのは、着脱の「脱」。気が緩んだ頃に甘くなるという話を耳にします。そのため、定期的に相互チェックをして、着脱が適切にできているかコメントし合うようにしています。これまでに400人くらい教育してきました。PPEはもはや全職員必須になってきています。急に呼ばれたとき、やり方が分からなくて怪しい着脱になって、そのスタッフから感染が広がるというのを一番恐れています。
また、看護師の休憩室は3密になりやすいので、広い休憩場所も新たに設置して、そこで少し離れてご飯を食べるようにしています。
あとは、周りに陽性者がいたと判明しても自分自身が濃厚接触者にならないように、と指導しています。話すときはマスクを着け、できるだけ距離を取ることです。
――PPEの防護具は足りていますか。
物資は本当に苦慮しています。方々当たって、確保に全力を挙げていますが、一番困っているのはガウンです。本当に足りず、東京都による供給に頼っているのが実情です。そこも若干供給数に揺れがあるので、入手経路が他にないか探しています。職員の安全を守るためにPPEは必須なので、とにかく全力で取り組んでいます。
――外来でCOVID-19疑いの患者が来てしまったらどうしますか。
一般の外来も一部続けていますが、ずらせる人はずらすようにしています。歯科医が担当していると説明したスクリーニングを入り口でかけていて、発熱がある患者がいたら、院内には入れず、敷地内に設置したテントに連れて行きます。かかりつけの患者であれば、主治医に連絡が行くようになっていて、テント内で対応します。
これまでの経験を踏まえ、今後COVID-19患者を受け入れる医療機関へ2つの助言を送る。
まだ患者数が少ない地域の医療機関に対しては、準備はし過ぎて損することはないということを伝えたいです。患者は増え始めると一気に増えます。自分達の地域は増えないとは決して思わないことです。
もう一つは、患者の受け入れ数が増えたときの難しさとしてチームリーディングがあるということです。誰しもが普段と違う仕事をしなくてはいけない。執行部の責任として体制を構築しないと、必ず職員が疲弊して医療崩壊を起こします。病院の執行部の立場にある人は、自分達の使命は何か、どのようにコミットするかを明確にしてほしいと思います。診療科や職種の枠を超えて協力しなくては、この難局に立ち向かうことはできません。