人はみな
毎朝 目が覚めることが当たり前のことだと思っている
健康でいる時は当たり前だということも考えない
目が覚めるまでに何が起こるか 本当のところは誰も分からない
だから
目が覚めることは「当たり前」ではなく
そう有ることが難し=有り難いこと なのである
人は
「毎夜寝るごとに一度死んで、朝また生き返る」とも言われる
中国南宋の時代に朱新仲が
「人生の五計」ということを唱え実践したという
生計-いかに生きるか
身計-いかに身を立てるか
家計-いかに家庭を営んでいくか
老計-いかに老いていくか
死計-いかに死すべきか
人にはみな等しいこと 全ての人が避けられないことがある
「人は生まれたら、老いていつかは必ず死ぬ」ということ
いかに死すべきかということは ただ死を願う消極的な心ではなく
ある偉大な感激の対象を求めて それに向って没我的になっていく
己を忘れ、あるいは己をなげうつべきある偉大なる感激の対象を得る生活
我々が喜んで、勇んで、己を忘れて没入して行くような
そういう感激の対象を得たい
人間はいくつになっても
感激の対象を求める生き方を忘れてはならないと思う