毎日のことだから・・・
仕事をしている姿というものは 自分では見えない
いつもと同じにやっていれば誰からも 文句は言われない
あの人のしていることがおかしいと思っても 何も言わない方がいい
このままでは駄目だと感じても そのことに正面から向き合わない
毎日のこととして 「毎日の箱」の中に入っていれば安心できる
変われるアドバイスをもらっても 聞いたふりをしていればいい
他人まかせの人生を生きている
毎日のことだから・・・
こんな自分だから
胸に刻んでおきたい 世阿弥の“離見の見”ということばがある
舞を舞う演者の観点を「我見」といい
舞を見ている観客の観点を「離見」という
我見では目の前や左右しか見ることはできず
自分の後ろ姿や演じている姿は見えない
演者は自分が見ているものだけでなく
観客の目を通して演じている自分の姿も見なければならない
舞うためには我見(自己満足)だけでなく
“離見の見”が重要と説いている
自分をどれだけ“客観視”できるかどうかは
どれだけ他者の意見を聴きいれられるかどうかで決まる
自分をどれだけ“俯瞰”できるかどうかは
どれだけ自分をそぎ落としていけるかどうかで決まる
いくつになっても
こっぴどく自分をやっつけてくれる先輩を持つことは
悔しいけれど 人生の幸福であり
人間の心は 眼や表情にもあらわれるが
後姿にはっきりあらわれることをわすれてはならない
わたしを徹見すること
“離見の見”を意識していたいと 思うのであります
